出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
- 甲骨文字に見られる原字は、「子」+「大」+「口」(言葉)から構成される会意文字で、大人が子供に知識を与えるさまを象る。のち羨符(意味を持たない装飾的要素)の「甘」を加えて、「子」が「于」と書かれ、「大」が「矢」と書かれ、「甘」が「曰」と書かれるようになり、『説文解字』に見られる「𥏼」の字体となった。さらに「于」が省略されて「智」となり、「曰」が省略されて「知」となった。[字源 1]
- 『説文解字』では変化後の字体に基づいて「白」+「亏 (于)」+「知」と説明されているが、上記のようにこれは誤った分析である。
- 「矢」を形声文字の音符と解釈する説があるが[字源 2]、上記のように「矢」は「大」が変化したものであるため誤りである。また「矢」と「智」は声母・韻母ともに異なっており諧声原則を満たさないため音符ということはありえない。
- ↑ 林志強等評注 『《文源》評注』 中国社会科学出版社、2017年、483頁。
詹鄞鑫 「釈甲骨文“知”字――兼説商代的旧礼与新礼」 『中国訓詁学報』第1輯 商務印書館、2009年。
林志強、林婧筠 「“知”“智”関係補説」 『漢字漢語研究』2019年第4期、55-61頁。
- ↑ 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、848-850頁。
劉釗 『古文字構形学』 福建人民出版社、2006年、113-114頁。
音 |
|
訓 |
- 訓読み: さと-い
- 名乗り: あきら、さとし、さとる、じ、とし、とみ、とも、のり、ひと、もと、よも
|
字典掲載
康熙字典 |
497ページ, 15文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
14010 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
4649 |
角川大字源 (1992) |
3982 |
講談社新大字典 (1993) |
6512 |
大漢語林 (1992) |
4555 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
863ページ, 23文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
2巻, 1518ページ, 15文字目 |