出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
不倫 (ふりん)
- 道徳に反すること。
- 僕等はこれから監獄の前へ、従兄妹同志結婚した不倫の男女の曝しものを見物に出かけるつもりである。(芥川龍之介『第四の夫から』)〔1924年〕
- 特に男女が配偶者以外の異性と関係を持つこと。
- どうせ不倫をするくらいなら、何も彼を選ばなくたって、他にあいてはありそうなものだ。 (平林初之輔『二人の盲人』)〔1930年〕
- 夫に誘導されて一歩一歩堕落の淵に沈みつつあった私であるが、まだそれまでは、夫の要請黙しがたく苦痛を忍んで不倫を犯しているかのように、―――そうしてそれは舊式な道徳観から見ても、婦人の亀鑑と仰がれてもよい模範的行為であるかのように、自分を欺いていたのであったが、その時あたりから、私は全く虚偽の仮面を投げ捨ててしまった。私はきっぱりと、自分の愛が木村の上にあって夫の上にはないことを、自ら認めるようになった。 (谷崎潤一郎『鍵』)〔1956年〕
不倫する (ふりんする)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 不倫しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 不倫せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 不倫される | 未然形 + れる |
丁寧 | 不倫します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 不倫した | 連用形 + た |
言い切り | 不倫する | 終止形のみ |
名詞化 | 不倫すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 不倫すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 不倫しろ 不倫せよ | 命令形のみ |
不倫 (ふりん)
- 道徳に反するさま。
- それで嗜好趣味という事は別として、科学者として芸術を論じるという事もそれほど不倫な事とは思われない。 (寺田寅彦『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』)〔1918年〕
- 最初には最も強硬な少数をおびき出して来て殺した。その次には彼等が引き籠って命を奉じないのを、攻め寄せて討ちとった。それでもいかぬのでその次には懐柔策を採った。たとえに引くのは不倫であるかも知らぬが、今日台湾の総督府が東部の蕃人に対して採っている策も、ほぼこの範囲を出ないのである。(柳田国男『家の話』)〔1918年〕
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | 不倫だろう | 未然形 + う |
過去・完了 | 不倫だった | 連用形 + た |
否定形 | 不倫でない | 連用形 + ない |
自動詞化 | 不倫になる | 連用形 + なる |
言い切り | 不倫だ | 終止形のみ |
名詞化 | 不倫なこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | 不倫ならば | 仮定形 + ば |
様態 | 不倫そうだ | 語幹 + そうだ |
不 倫 ( (簡): 不伦 ピンイン:bùlún 注音符号:ㄅㄨˋ ㄌㄨㄣˊ 広東語: bat1leun4 )
- 不適当な。