あれ

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日本語[編集]

名詞[編集]

  1. 距離的、時間的、または心理的に、話し手からも聞き手からもとおくにあるものごとや人格を意識されない人、また時節や状況。
    あれが市役所です。
    あれは誰?
    あれはもう昔のことだ。
    あれからすっかり元気になった。
    あれほどはひどくない。
    あれで一体何か面白いのか。
    あれはあれでいいだろう。
  2. 距離的、時間的、または心理的に、話し手からも聞き手からもとおくにあるひと。(その人を見下した表現とされる)。あいつ。
    あれにも困ったもんだ。
  3. (古)距離的に話し手からも聞き手からもとおくにある場所。あそこ、かなた。
    あれに見えるは茶摘みじゃないか
  4. (「あれで」「あれでいて」「あれでも」などの形で)見かけと違って。ああ見えて。案外。意外と。
    からだの弱さうな、気の弱さうな人であるけれども、あれで却々野心家だとも思つてゐた。(中原中也『逝ける辻野君』)
  5. (「あれだろう」「あれじゃないか」などの形で)事情を確認・説明する際の導入句として。知ってのとおり。たしかこのように聞いているが。自分はこう思うが。
    真紀 あなたのお裁縫は、私が見たって、到底卒業の見込みはありゃしないよ。
    あさ子 あら。(悄気て)困るわ。あたし、ちっとも怠けてなんかいやしないのよ。だけど、あれでしょう三年間ちっともお針なんか持たなかったんだもの。そりゃ、女学校の時分はやったけれど。(森本薫『みごとな女』)
  6. 事物。もの。それ。そのこと。
    こゝで風俗といふ意味は、勿論広い意味である。フランス語で mœurs といふあれである。(岸田國士『“現代風俗”に就いて』)
  7. (述語に用いられて)おかしい、こまる、具合が悪い、いきすぎだなどのニュアンスを表す。〜何だ。
    私が言うのもあれだが、もしあれだったら、そこまでやるのもあれなんで。
  8. 言葉をぼかす。または頭に浮かばない言葉の代わりとして。
    久しぶりにあれをしようとしたら急にあれが始まっちゃって。
    あれのあれをあれしてもらえるとあれなんだけど。

漢字[編集]

  • 彼(滅多に用いられない。普通かな書き)

発音[編集]

東京アクセント[編集]

あ↗れ

京阪アクセント[編集]

↗あ

語源[編集]

翻訳[編集]

関連語[編集]

日本語の指示詞(古典語・現代語混合)
  近称-) 中称-) 遠称-/(古)- ) 不定称-)
指示代名詞 これ[複数:これら] それ[複数:それら] あれ[複数:あれら]
かれ[複数:かれら]
どれ
だれたれ)、いずれいづれ
指示代名詞(古語)
指示代名詞(卑称) こいつこやつ そいつそやつ あいつあやつ
―(かやつきゃつ
どいつどやつ
連体詞 この その あの
かの
どの
方向→人称 こなた そなた あなた
かなた
どなた
―(いづかた
場所 ここ そこ あそこ
かしこ
どこ
いずこいづこいづく
方向 こちらこっち そちらそっち あちらあっち どちらどっち
―(いづち
態様 こう
こんな
そう
そんな
ああ
あんな
どう
どんな

間投詞[編集]

  1. 意外さや驚き、不審、想定と異なる様子に気がついたことなどをあらわす。あ、あら、あれれ、おや
    あれ、なんか変だぞ。
    あれまあ、おどろいた。
  2. (古)感動をあらわす

発音[編集]

あ↗れ