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日本語[編集]

名詞:空・虚[編集]

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  1. 中身がないこと。

翻訳[編集]

名詞:枯・涸・乾[編集]

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  1. 無くなる

名詞:殻・殼・骸[編集]

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  1. (昆虫学) 昆虫脱皮したときに脱がれた古い抜け殻
  2. (植物学) 植物種子動物外皮覆う硬い
  3. 自分世界から外界隔てる
  4. (通常は仮名)豆腐製造の際、豆乳を搾り取った残滓おからきらず

名詞:幹・簳・柄[編集]

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  1. (植物学) みき
  2. ほうきなどの

固有名詞・名詞[編集]

から, , , , , , ,

  1. 加羅, 加耶, 迦羅, 伽羅, 伽耶)3世紀から6世紀中頃にかけて朝鮮半島の中南部において、洛東江流域を中心として散在していた小国家郡の中国・百済・日本(倭)における呼称。新羅においては伽耶加耶という表記が用いられた。
  2. 語義1を語源とする、日本から見た朝鮮半島から中国一帯の古典語。
  3. 外国一般。

副詞[編集]

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  1. (打消しを伴って)まったくからっきし

助詞[編集]

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  1. 格助詞。体言・準体言を受ける。
    1. 空間的な起点始点を表す。
      • 鞍馬山から牛若丸が出でまして、その名を九郎判官。
      • 部屋のそとから呼んだが返事がないので戸を開けようとしたら内側から鍵がかかっていた。
      1. 経由地点を表す。
        • ドバイを発ち、香港から成田へ至る。
        • 静脈から製剤を注入する。
      2. 属する範囲や本来あった場所などを表す。
        • 新聞・雑誌から目につく記事を拾う。
        • 財布から金を盗む。
        • 原本から転記する。
        • 表情からは心配そうな様子がうかがえる。
    2. 時間的な起点・始点を表す。
      • 3時から始めようか。
      • 明日から夏休みだ。
      1. 基準となる時間より早いこと、また遅いことを表す。
        • こいつは春から縁起がいいや。(「新春早々」といった意味)
        • 対戦がいまから楽しみです。(「もうすでに」)
        • 朝っぱらからうるさいよ。(「朝早くに」)
        • スタート直後からトップに立った。
        • はじめからそう言ってくれればよかったのに。あとから言わないでほしい。
        • 途中から変更しないでくれ。
    3. 起源や本来のありようなどを表す。
      • この人はもとからそういう性格だから。
      • 普段から練習熱心だが、休日はもっと練習する。
      • 平素から世話になっている人。
    4. 手順や順序などの起点・始点を表す。
      • ギリシャから順に入場行進する。
      • それでは前回の続きから始めます。
      • 前の方の席から詰めてお座り下さい。
      • まずは第一歩から
    5. 比較や対照などにおいて起点・始点とみなしうるものを表す。
      • そもそも自社ビルのデザインからして並の会社とは違う。
    6. 授受などにおける起点となる人物や受動文の行為者などを表す。
      • 友人からもらったプレゼント。
      • 先生から事情は聞いた。
      • 知人から電話があった。
      • から叱られた。
    7. 行為者として主体的にまた率先して行う意味などを表す。
      • 思い切って自分から声をかけてみたら。
      • からはそんなことなんてとても無理です。
      • 私の方からも補足します。
      • 向こうからけしかけてきた。
    8. 変化や転成などの起点を表す。
      • 漁獲高は昨年の十万トンから七万トンに減少した。
      • 焼け跡から近代都市に生まれ変わった。
      • 卑賤の身から天下人に成り上がる。
    9. 材料や原料、構成要素などを表す。
      • ぶどうからワインができ、ワインからビネガーができる。
      • 有識者五人からなる審議会を立ち上げる。
    10. 原因や理由などを表す。
      • 不注意から事故を起こした。
    11. 観察や考察、また比較などの基準や根拠などを表す。
      • そうした観点から今回の結論に至ったわけです。
      • 遺留品の多さから見ても計画的な犯行とは考えにくい。
      • からすれば大きな違いはない。
      • 売上は前年度から比べて十パーセント以上の伸びとなっている。
    12. (鳥取方言)場所・位置を表す。
      • どこからご飯食べる?(=どこでご飯食べる?)
  2. 副助詞
    1. 前から継続しているニュアンスを明確にする。より。
      • かねてからうかがっておりました。
      • 従来からの機能に加え新たな技術を搭載した。
    2. 大きな数量であることを表す。
      • 一万円からお預かりします。
      • 20キロからある荷物を背負う。
      • そのフルーツは一個一万円からした。
    3. 比較や対照などにおいて起点・始点とみなしうるものを表す。
      • 白味噌漬けというものは元来高級品であり、且つ味噌そのものからが廉価ではないから、下らない魚類を漬けることは許されないわけである。(北大路魯山人『生き烏賊白味噌漬け』)
      • 一體ここらあたりの松の色は、地味のせゐでもあるか、どうやら餘所のに比べて少し黒味が勝つたやうに思はれる。直ぐ前方の西大寺村の森にしてからがさうで、つい先がた發つて來た秋篠の樹立にしても――振り返つて見ると、どうも黒味がかつて見える。(薄田泣菫『旋風』)
    4. (「…から…から」「…からなにから」などの形で)あらゆる範囲にわたるニュアンスを表す。
      • 豪雨で田畑からからみんな水に浸かった。
    5. (「…から…から」などの形で)続けざまに発生するニュアンスを表す。
      • あとからあとから注文が舞い込んだ。
  3. 接続助詞
    1. (「動詞連用形+て+から」の形で)~した後で。
      • もう少しまとめてから、休憩にしよう。
    2. 終止形を受け、順接の原因等を表す。
      • そんなところを走るから転ぶんだ。
      • こんな出来だから怒るんだ。
      • 北国出身だから寒さには強い。
      • あいつの言うことだから当てにはならない。
      • いま行くから待ってろ。
      • 今だから言うけど、あのときは実は倒産寸前だった。(「ずっと言えなかったが、時間が経過した現在なら言ってもいい」というニュアンス)
      • この際だから聞いておこうか。(「今という機会をとらえてついでに行う」といったニュアンス)
  4. 終助詞
    1. 文意を強調する。
      • 私はそんなことしてませんから
      • もうそろそろ帰るから
    2. 強い意志を表す。
      • 絶対に負けないからね。

用法[編集]

  1. 格助詞・副助詞
    1. 格助詞が後置することがある(準体助詞)。
      • 公演は十時からと二時からの二回となります。
      • 第四コーナーを回ってからが勝負どころだ。
    2. 「以降」「こっち」「さき」「むこう」などの名詞が後置することがある。この場合「から」に助詞「の」を後置することはしない。
      • ここから先へ行ってはいけない。
      • 引退してから以降のことを話すつもりはない。
  2. 接続助詞(理由)
    1. 過去のことであっても現在形で表現されることがある。
    2. 主文が主語の形で倒置されたり主文が略されたりして「」が後続することがある(準体助詞)。またその場合、さらに「だ」も略され終助詞のような形を取ることもある。
    3. 人をとがめるニュアンスで用いられることがある。
      • ホタルがいなくなったのは無秩序に開発するからだ。
      • もう。あなたが余計なことを言うから

語源[編集]

一説によれば下記の名詞「故・柄」から。

関連語[編集]

類義語[編集]

対義語[編集]

派生語[編集]

翻訳[編集]

同音の漢語[編集]


古典日本語[編集]

名詞:故・柄[編集]

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  1. 原因理由ゆえ