かれ

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語[編集]

代名詞[編集]

かれ

  1. 三人称男性。話し手、聞き手以外の男性をさし示す語。
  2. 三人称。話し手、聞き手以外の人をさし示す語。明治期以前は男女にかかわらず用いられた。
    • それから下女は余のために庖丁を取て柿をむいでくれる様子である。余は柿も食いたいのであるがしかし暫しの間は柿をむいでいる女のややうつむいている顔にほれぼれと見とれていた。(中略)やがて柿はむけた。余はそれを食うていると彼は更に他の柿をむいでいる。(正岡子規『くだもの』)
  3. 二人称男性。若い男性に対して用いられる呼びかけの語。
    • 「そこのカレちょっと来てくれる?」

用法[編集]

日本語には一般的な三人称の人称代名詞は無い。日本語話者は、以下の基準で使い分けねばならない。

  1. 話し手、聞き手のどちらかのみ知っている人の場合、ソ系列の指示語を用いる。文脈で十分に確立されていない場合、名前も直接は使えず、引用であることを示さねばならない。
    • — 開発課の中村さんを知っていますか。
      — いいえ、{ *この人は / その人は / *あの人は / *彼は / *中村さんは / その中村さんは / 中村さんって } どんな人ですか。 (* 誤り)
  2. 話し手のみが知っていて、まだ文脈に十分導入されていないとみなす場合は、コ系列を使っても良い。
    • 開発課に中村さんという人がいるんですが、{ この人は / その人は / *あの人は / *彼は / *中村さんは / その中村さんは / 中村さんって } 本当に面白いんですよ。 (* 誤り)
  3. 話し手、聞き手の双方が知っている人の場合、ア系列の指示語を用いる。導入されたばかりの人物について、話し手がその人を知っているということを聞き手が知らない場合、ソ系列を用いても良い。
    • — 開発課の中村さんを知っていますか。
      — ええ、{ *この人は / その人は / あの人は / 彼は / 中村さんは } 私の親友です。
      — そうですか。{ *この人は / *その人は / あの人は / 彼は / 中村さんは } 面白い人ですね。 (* 誤り)
  4. 彼女 (かのじょ) はア系列とほぼ同じだが、あの人よりやや敬意が低い。
    • — 開発課の中村さんを知っていますか。
      — ええ、{ *この人は / その人は / あの人は / *彼は / 中村さんは } お世話になった先輩です。 (* 誤り)
  5. 高い敬意を示すには (ひと) の代わりに (かた) を用いる。名前+、名前+肩書き、あるいは単に肩書きだけも使える。
  6. 子供には (ひと) の代わりに () を用いる。
  7. より敬意が低い。敬意を示すのがおかしい場合は、むしろそれらを使う。こいつそいつあいつは敬意が低いと同時に俗語的なので、公的な会話では使えない。指示語+直前の名詞は敬意に関係なく使える。
    • — この前、コンビニで強盗を見たよ。
      — { *その人は / その男は / そいつは / その強盗は } どんな格好だったの? (* 誤り)
    • — さっき、コンビニで強盗を見ました。
      — 本当ですか。それで { *その人は / その男は / *そいつは / その強盗は } どんな格好をしていましたか。 (* 誤り)
  8. 話し手と聞き手が異なる家族の場合、それぞれの家族に対しては、代名詞は使えない。(ただし自分の夫をあの人と呼ぶ特別な用法がある。)
    • — { お父さんは / *父は / *あの人は / *彼は } 元気ですか。
      — はい、{ *お父さんは / 父は / *あの人は / *彼は } 元気です。 (* 誤り)
  9. ただし文章語ではかなり自由に使える。敬称を略すような文章中では目上・目下を問わず用いることができる。
    • 後にユネスコの大憲章の筆を取ったヒューマニスト詩人としてのが、敢えて事務官としての図書館長として、五年間を如何に過したか、恐らくそれにはおのずから、映画のシナリオにふさわしい心の中のさ迷いが、の眼の前に展けたに違いない。(中井正一『組織としての図書館へ―マックリーシュの業績―』)

対義語[編集]

翻訳[編集]

名詞[編集]

  1. 大変親しい男友達。彼氏ボーイフレンド恋人

語源[編集]

  • 代名詞の婉曲的用法。

対義語[編集]

翻訳[編集]


古典日本語[編集]

代名詞[編集]

  1. 二人称。聞き手をさし示す語。
  2. 遠称。話し手からも聞き手からも離れた事物をさし示す。あれ

接続詞[編集]

かれ

  1. それゆえだからそこで
  2. すなわちここにそこで段落などの初め置いて起こす用いる

語源[編集]