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漢字[編集]

字源[編集]

行 行 行 行
甲骨文字 金文 大篆 小篆

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字音一覧
中古音 現代中国語 日本語 朝鮮語 ベトナム語
三十六字母 中古音の四声 広韻 平水韻 普通話 漢音 呉音 唐音 朝鮮漢字音 漢越語
A 匣母 平声 庚韻 xíng カウ ギャウ アン hành
B 去声 映韻 敬韻
C 平声 唐韻 陽韻 háng (ガウ) hàng
D 去声 宕韻 漾韻

(括弧内は殆ど使われない字音。)

意義[編集]

(括弧内は『広韻』、外は『平水韻』に従う。一致する場合括弧は記さず。)

(辞書によっては平声のところ去声で読んでもよいとするものもある。)

A: 平声庚韻[編集]

動詞[編集]
  1. いくゆく
    進行行進
    黑煙堆裏蹴(黑煙堆裏波を蹴り行く)
    (私の乗る蒸気船の)黒煙が立ちこめる中(船が海の)波を蹴るように進む大久保利通『下通州作』)
    • (「行A」(行くことAなり)(Aは距離を表す数量詞)の形で)Aの距離を進んだ、の意味。
    嘗一日千里、かつて一日にくこと千里なれば、)
    以前には(は)一日で一千進んだ ものだから、『史記』「項羽本紀第七」
  2. あるく
    歩行跛行経行(きょうぎょう、きんひん)
    看山終日行(山をて終日あるく)
    (その山の美しさは私が)山(の景色)を見ながら一日中歩き (続けてしまったほどだ)。欧陽脩『遠山』)
  3. 去る離れる
    至則矣。(至ればすなはる。)
    子路が老人の家に)来ると(老人は家から)去っ ていた。『論語』「微子第十八」【十八之七】
  4. 賓語を伴って)動かす。「やる」と訓読される。
    山林險阻沮澤之形者、(山林險阻(けむそ)沮澤(そたく)の形を知らざる者は、軍をることあたはず、)
    山林、険しい場所、湿地帯の地形(のような兵を速く動かせなければならない圮地)を知らない司令官は、兵を動かす ことができないし、『孫子』「九地篇」
  5. (賓語を伴って)何かをするおこなう
    実行行為行使行政執行(しっこう)公行
    餘力おこなひて餘力有らば、)
    (以上のことを)実践し ても(まだ)余力があるならば、『論語』「學而第一」【一之六】)
名詞[編集]
  1. たび
    紀行旅行
  2. みち
    行路
  3. 五行思想において万物の構成要素のこと。ギリシア哲学にいう「元素」と対置される。
    五行陰陽五行説
    関連語: 元素
  4. 楽府体の漢詩。
    短歌行
  5. 漢字書体の一つ。行書
形容詞[編集]
  1. 移動可能な、臨時の。(旅行中に設けた、という意味からという。)
    行宮行都行灯行(中書)省(かう(ちゅうしょ)しゃう)行尚書省(かうしゃうしょしゃう)行在(あんざい、キンサイ」、「行在所
    日本語では唐音「アン」を用いて読む派生語が多い。)
副詞[編集]

(「行(行)V」(行(行)ゆくゆくVす)(Vは動詞)の形で)

(「行(行)」字の部分を書き下すときに「行(行)く」「行くゆく」「行く行く」と送りがなをつける流儀もある。)
  1. 道すがらVする、の意味。あるいはぶらぶらと歩きながらVする、の意味。(動詞「」の副詞的用法)
    胡兒弓、射-殺追騎(くゎう)ゆくゆく胡兒の弓を取り、追騎を射殺し、)
    李広逃げる途中で (自分が奪ったばかりの)匈奴兵の弓を手にとり、追っ手の騎兵(たち)を射殺し、『史記』「李將軍列傳 第49」
    行行田舎、正是桑楡時。行行ゆくゆく田舎にとどまりたるは、正に桑楡(さうゆ)の時なり。)
    (私が)道すがら 田舎(の民家)に宿泊したのは、丁度夕方のころだった。良寛
    (「舎」字は原文でも「舍」ではなく「舎」。)
  2. (「行(行)()V」(行(行)ゆくゆく(まさに)V(せむと)す)の句形で)将来を表す。そのうちVする、の意味。(なお「將」も平声字)
    吾生之(せい)ゆくゆく(きう、きゅう)(せむと)するを感ず。)
    (郷里での生活の中で)私の(忙しかった)人生がそのうち 終わってしまうだろう と感じる。陶潜歸去來(兮)辭』)
    行行不惑行行ゆくゆく不惑(ふわく)かはむとすれども、)
    (私は)もうすぐ 四十歳になろうとしている けれども、陶潜『飮酒』「其十六」)
    匹馬行將久、匹馬(ひつば)ゆくゆくまさひさしからむとし、)
    (私が)一頭の馬(に乗って旅をしていたところ)、もう 長い時間を経ようとしており高適『全唐詩』所収「使靑夷軍居庸三首」
    行將V」を「-V」として「まさにVせむとす」と訓読する流儀もあるが、例句では「行」に対応する次の句の第三字が「」なので避けられる。なお『唐詩選』所収「使淸夷軍居庸」では「久(仄声字)」を「夕(仄声字)」につくる。

B: 去声敬(映)韻[編集]

名詞[編集]
Wikipedia
フリー百科事典ウィキペディア行 (仏教) の記事があります。
  1. おこない
    品行方正行状
  2. 仏教で仏に仕える者としてのつとめ。
    修行行者執行(しぎょう、しゅぎょう、しゅうぎょう)

C: 平声陽(唐)韻[編集]

名詞[編集]
  1. 人や字の並び五十音図など縦書きでは縦の並び。横書きでは横の並び。日本語、普通話、朝鮮語ベトナム語では数学の行列、行列式の横の並びをいう。國語では行列、行列式の縦の並びをいう。
    行列(ぎょうれつ、こうれつ)行列式太行山脈(たいこうさんみゃく、タイハンさんみゃく)
    対義語:
    関連語:
  2. 問屋同業組合ギルド
    洋行(やうかう、ヤンハン銀行公行こうかうコホン行列(かうれつ)牙行(がかう)行商かうしゃう
Wikipedia
フリー百科事典ウィキペディア英語版に の記事があります。
量詞[編集]
  1. 人や字の並びの数。縦書きでは縦の並び。くだり日本語、普通話、朝鮮語ベトナム語では数学の行列、行列式の横の並びの数をいう。國語では行列、行列式の縦の並びの数をいう。
    一行、ij
    項王泣數下、(項王(かうわう)なみだ(すうかう)くだれば、)
    項王の涙が幾 か流れると、『史記』「項羽本紀第七」
    (ここでは涙が縦に通った跡の数を意味するので數行は「すうかう」と読むのが正しいとされる。)

D: 去声漾(宕)韻[編集]

名詞[編集]
  1. 世代、仲間などの序列
    排行(パイハン)輩行輩行字輩行名行列字(こうれつじ、ハンニョルチャ排行榜パイハンバン
    類義語:

日本語[編集]

発音[編集]

名詞[編集]

Wikipedia
フリー百科事典ウィキペディア行 (仏教) の記事があります。
  1. ギョウ文書等における文字の並び。(C)
  2. ギョウ)(数学)行列および行列式における方向への並び。対義語。(C)
  3. ギョウ)(仏教)修行。(B)
  4. コウ)ある場所へ行くこと。(A)
    (例)「行をともにする」。
  5. くだり)文書の縦の並び。(C)
    (例)「三行半」。

熟語[編集]


中国語[編集]

*

名詞[編集]

  1. (háng)並び。類義語:
  2. (háng)業種。
  3. (háng)商店商社。cf.公司
    洋行(外資の商社)、銀行(日本起源の語)

量詞[編集]

  1. (háng 列状のものを数える)~行。

形容詞[編集]

  1. (xíng)よろしい、十分な。
    行了
  2. (呉語 ghan1)流行している

動詞[編集]

  1. (広東語 haang4、閩南語 kiâⁿ、客家語 hàng)あるく、すす
  2. (呉語 ghan1)こらえる

人名[編集]

Xíng

  1. 中国人ののひとつ。

熟語[編集]


朝鮮語[編集]

*

熟語[編集]


ベトナム語[編集]

*

熟語[編集]

コード等[編集]

点字[編集]