蒸発

日本語

発音

• (東京式) じょーはつ [jòóhátsú] (平板型 – [0])
• IPA^(?): [d͡ʑo̞ːha̠t͡sɨᵝ]
• (京阪式) じょーはつ

名詞

この単語の漢字
蒸	発
じょう 第六学年	はつ 第三学年
音読み

蒸発 (じょうはつ)

1. (物理学, 化学) 液体の表面が気化する現象。
   • 私の考えによると、丁度九時になって一人の人間が全身ずぶ濡れになって此の室（へや）に飛びこんで来たのです。そのために濡れた水分が室内に蒸発をはじめて急に湿度が高くなりました。（海野十三『赤耀館事件の真相』）
2. (比喩的に) 行方を眩（くら）ますこと。不意に姿を消すこと。
   • 『巨大な指紋を遺して犯人蒸発！　推察するに相当大男ならん――』などという新聞紙のセンセイショナルなタイトルまでもう頭の中にちかちかとひらめくのでした。（蘭郁二郎『足の裏』）
   • 「行っておしまいになりました。夜逃げをなさいました。蒸発をなさいました」（チェスタートン著、直木三十五訳『秘密の庭』）

関連語

• 昇華、沸騰

（語義1）

• 複合語: 蒸発岩、蒸発器、蒸発霧（じょうはつぎり）、蒸発計、蒸発皿、蒸発熱、蒸発冷却

翻訳

（語義1）

• 英語: evaporation ^(en), vaporization ^(en)

（語義2）

• 英語: disappearance ^(en)

動詞

蒸発する (じょうはつする)

1. 液体の表面が気化する。
   • 地表から蒸発した水蒸気を沢山含んだ空気が温められると、上昇して行く。（中谷宇吉郎『「茶碗の湯」のことなど』）
   • 炎天の下に水を溜めようとしても、水は、いつの間にか蒸発してしまう。（佐左木俊郎『馬』）
2. 語義1より転じて、行方を眩ます。

活用

活用と結合例

蒸発-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
蒸発	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	蒸発しない	未然形 + ない
否定(古風)	蒸発せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	蒸発される	未然形 + れる
丁寧	蒸発します	連用形 + ます
過去・完了・状態	蒸発した	連用形 + た
言い切り	蒸発する	終止形のみ
名詞化	蒸発すること	連体形 + こと
仮定条件	蒸発すれば	仮定形 + ば
命令	蒸発しろ 蒸発せよ	命令形のみ

翻訳

動詞語義1

• イタリア語: evaporate ^(it)
• 英語: evaporate ^(en), vaporization ^(en)
• スペイン語: evaporarse ^(es)
• ドイツ語: cerdunsten ^(de)
• フランス語: s'évaporer ^(fr)

動詞語義2

• イタリア語: scomparire ^(it), volatilizzarsi ^(it)
• 英語: disappear ^(en)