さる

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日本語[編集]

動詞:去る[編集]

さるる】

  1. 離れて行く。
    • 住み慣れた街を去る。頭痛が去る

活用[編集]

関連語[編集]

連体詞:去る[編集]

さるる】

  1. 過ぎた。先の。

語源[編集]

動詞「さる」の連体形から。

関連語[編集]

連体詞:然る[編集]

さるる りの連体形

  1. 特定の対象を漠然と指す。
    • 然るお方が参られて言うには…
  2. それなりの、相応の。たいした

関連語[編集]

名詞:猿[編集]

さる【胡孫

{※「猿」は尻尾を持たない霊長類(用例:類人猿)を指し、「猴」は尻尾を持つ霊長類を指す。}
  1. 哺乳類霊長類動物日本語では一般ニホンザルを指す。
  2. (俗語)他人嘲る語。顔が語義1.に似ている、性欲が強い、山里に住む田舎者、といった含意がある。
  3. 豊臣秀吉俗称織田信長がこう呼んだことに由来する。

関連語[編集]

翻訳[編集]

名詞:申[編集]

さる

  1. 干支の9番目。猿を当てる。
  2. 方位の一つ。方位角240度。

関連語[編集]

十二支
文字 動物 方位
八卦
:カン)
チュウ うし 北東(:ゴン うしとら
イン とら
ボウ :シン)
シン たつ 東南(:ソン たつみ
うま :リ)
ひつじ 南西(:コン ひつじさる
シン さる
ユウ とり 西:ダ)
ジュツ いぬ 北西(:ケン・カン いぬい
ガイ

古典日本語[編集]

動詞:避る[編集]

さるる】

  1. 避けること。

活用[編集]

さ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行四段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形

動詞:曝る[編集]

さるる】

  1. 色あせること。

活用[編集]

さ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行四段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
さ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
るる るれ れよ

語源[編集]

《新たには「ざる」とも》

動詞:戯る[編集]

  1. ふざける。たわむれる。はしゃぐ。
    いと小さき小舎人童、『御返りたまはらむ』と言ふ。〈略〉『いとされてくちをしきわらはかな』といふ《宇津保(970‐999頃)楼上上》
  2. すぐれた趣がある。しゃれている。風流である。
  3. 気がきいている。物わかりがよく気転がきく。
    おやのおはしける時より使ひつけたるわらはの、されたる女ぞ、後見とつけて使ひ給ひける《落窪(10C後)一》
  4. 世慣れている。気がきく。
  5. あだめいている。色めいている。くだけた感じがする。
    はかなきこともいふに、いみじくされいまめく人よりも、げにこそおはすべかめり《紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月一日》

活用[編集]

さ-る 動詞活用表日本語の活用
ラ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
るる るれ れよ
  • 語頭の清濁に関して「さる」「ざる」両形が考えられ、語源、および後世の「しゃれ(洒落)る」「じゃれる」との関連についても諸説ある。
  • 語形上では、「さるる」からの「しゃるる(しゃれる)」、「ざるる」からの「じゃるる(じゃれる)」の派生は自然であり、また、現代語で「しゃれる」=垢抜ける、「じゃれる」=ふざけるの分化は明瞭であるが、この対立が歴史的にどこまでさかのぼりうるのかが問題となる。

助動詞[編集]

さる

  • 接続:四段活用、上一段・下一段活用、上二段・下二段活用の動詞の未然形、カ変動詞の連用形に接続。
  1. 尊敬)軽い尊敬、親愛の意を表す。(~なさる)
  2. 卑語)軽くののしったり、卑しめる意を表す。(~やがる)

活用:古語[編集]

連用形接続
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
さら さり(さつ) さる さる され され(さい)